維新派 トワイライト(奈良県・曽爾村健民運動場)
2015年9月24日
活動概要: 大阪を拠点に国際的にも高い評価を得ている維新派の新作「トワイライト」の野外公演。奈良県曽爾村の雄大な自然を背景に、特設された野外劇場で上演された。
維新派 新作公演「トワイライト」
スタッフの視察報告:公演の舞台となったのは野外の広いグランドで、そこに500席余りの客席が階段状に設置されており、グランドの背後には兜岳、鎧岳の異形の山塊が薄暮の中に見通せます。少し肌寒い秋の夜風に自然が感じられます。公演の時間は約2時間で、名前が与えられた登場人物は、ワタルという少年とハルという少女、それにキーヤンと呼ばれる男の3人です。そのほかの40人ほどの登場人物たちは、集団として言葉を発し行動します。集団の発する言葉は、地名や体の部位の名前、道に関わる言葉、囃子言葉など短い言葉の連続で、しかもその言葉を独特のリズムで発し、全員で同じ動きをします。明確なストーリーがある訳ではありませんが、セリフや動き、全体の流れ、ワタル、ハル、キーヤンの発する言葉の中から、人それぞれに意味を持つ土地や地図、道や別れ道などがテーマとして浮かんできたように思います。観客には、遠いところまで時間をかけて足を運ばせて、室生火山群の異形の大自然の中に招き入れるという、それ自体がすでに見る人たちを引き付ける手段で、グランドの舞台では、独特の言葉とリズム、統制のとれた動きなどで観客を引き込むというこの公演の手法は見事だと思わされました。(視察日 9/24)
運営担当者の清水翼さんに聞く:
Q 今回の曽爾村での公演に向けての取組みはいかがでしたか?
A この公演では、私たちも知らなかった曽爾村という場所への集客が課題でした。事前に曽爾村で役者の写真を撮影し、曽爾のイメージを具体的に打ち出すことで、維新派流の風景との出会いを演出し、お客さん自身に曽爾の風景との出会いを楽しんでもらえるような、想像の余白を提供しました。
Q ASKの助成金100万円で可能になったことは?
A 現地での告知用写真の撮影以外にも、運営体制やチケッティングなど、これまでとは異なった対応をしなければならない部分があり、助成金によってそうした経費が捻出できました。