第6回上方落語若手噺家グランプリ2020決勝戦
2021年2月21日
アーツサポート関西は、2015年より、「寺田千代乃 上方落語若手噺家支援寄金」として設けられた500万円のファンドから、毎年50万円を天満天神繁昌亭で開催される「上方落語若手噺家グランプリ」に対し助成をしています。このグランプリは、(公財)上方落語協会の主催により上方落語の若手噺家を対象に設けられたもので、決勝戦のチケットはいつも販売とほぼ同時に完売状態。繁昌亭の中でも屈指の人気を誇ります。長い伝統を持つ他の賞と肩をならべる形で若手の登竜門として定着し、上方の若い噺家たちの大きな目標となっています。
2020年はその第6回目にあたります。グランプリは毎年、4月に4回の予選と6月に決勝戦を行いますが、2020年は新型コロナの影響により、開催自体が危ぶまれる中、12月に予選の時期をずらし、2021年2月19にグランプリ決勝戦を行いました。
12月に行われた予選には、参加資格を持つ36人の若手噺家がエントリー。9名ずつが4回の予選に分かれて出場し、予選上位2名と予選4回で最高点の第3位1名が決勝戦に出場しました。
決勝戦には予選を勝ち抜いた笑福亭べ瓶さん、桂文五郎さん、桂華紋さん、笑福亭笑利さん、露の紫さん、桂九ノ一さん、林家染八さん、桂三四郎さん、桂三実さんの9名が出場。いずれも練り上げられた渾身のネタで会場を爆笑の渦に巻き込みました。審査の結果、第1回目から6回連続で決勝戦を戦ってきた桂三四郎さんが、那須与一の古典的な話しを絶妙にアレンジした創作落語「扇の的」で見事グランプリを射止めました。三四郎さんは、数年前から拠点を東京に移すも、このグランプリに強い意欲で挑み続け、その熱い想いが伝わってくる圧巻の落語でした。準優勝は同じ桂文枝一門の桂三実さんとなり、同門でのワン・ツー・フィニッシュを飾りました。