丸一鋼管が「ワンコイン文楽」 支援の〝バトン〞を継承
2018年5月10日
大阪発祥でユネスコ世界無形文化遺産でもある人形浄瑠璃文楽。その楽しさを若い世代に伝え、伝統を受け継いでいく「ワンコイン文楽」(NPO 法人 人形浄瑠璃文楽座主催)を支援するため、丸一鋼管株式会社(本社:大阪市西区)が ASK に「丸一鋼管 文楽支援寄金」を創設しました。
ワンコイン文楽への支援は ASK の支援第 1 号として2014 年度にスタート。これまで京阪神ビルディング株式会社(2014~15 年度)、岩谷産業株式会社(2016~17 年度)が支援した 4 年間で延べ 2,000 人を超える若者がこの取り組みを通して国立文楽劇場で文楽を鑑賞し、大きな反響を呼びました。丸一鋼管は 3 代目の支援者となり、近畿圏在学・在勤・在住の30歳以下を対象とする「そうだ、文楽に行こう!ワンコインで文楽 U-30」に対して、2018~19 年度の 2 年間で 500 万円を助成します。
4月23日、国立文楽劇場において寄金創設の記者発表が行われ、同社代表取締役兼CEOの鈴木博之氏は、「地域に根ざした企業活動をモットーとする当社にとって、関西・大阪発のエンターテインメントである文楽への支援ができるのは、地域への恩返しでもあり光栄なこと。私自身、文楽太夫の竹本源大夫さん(人間国宝・2015年没)と懇意にさせていただいた縁で 20 年来小唄を習っており、伝統芸能の支援に携われるのはうれしい」と語りました。
また、記者発表には人形浄瑠璃文楽座理事長で三味線奏者の竹澤團七氏、同理事で人形遣いの吉田玉助氏、作家で大の文楽ファンの有栖川有栖氏らも同席。有栖川氏は、「30代の頃、大阪で物書きをしていて文楽を知らないというのは恥ずかしいと思った。何度か観るうちにその面白さに引き込まれ、文楽ファンを増やそうと会う人ごとに文楽の魅力を語って聞かせてきたが、私一人ではあまりに微力だった。そんな折、ワンコイン文楽やその支援者がいると知り、まさに渡りに舟のような思い」と笑顔で語りました。
左から、丸一鋼管 鈴木博之会長、有栖川有栖さん、竹澤團七さん、吉田玉助さん