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活動報告

山本能楽堂と指揮者ケント・ナガノの共演『The Spirit of the Moon』が開催されました
2022年9月30日

世界的な指揮者ケント・ナガノ氏と、観世流能楽師・山本章弘氏が「月」をテーマに能舞台で共演する『The Spirit of the Moon』。この奇跡ともいうべきコラボレーションの舞台が2022年9月12日に大阪にある山本能楽堂で行われました。
オペラや現代音楽の指揮で極めて高い評価を得る日系3世のケント・ナガノ氏は、長年、日本の幽玄なる美・能楽とのコラボレーションを構想しており、この度、海外でも能楽公演を行う山本章弘氏に声をかけ実現いたしました。
この日のために1年以上にわたり準備を進めてきた舞台では、ナガノ氏が芸術監督をつとめるハンブルグ・フィルハーモニー管弦楽団メンバーによる室内楽と、世界的なソプラノ歌手として知られる藤村実穂子氏が、ナガノ氏の指揮でシェーンベルグの奇想の名曲「月に憑かれたピエロ」を演奏。それに対し山本章弘氏は、今昔物語に出てくる、自らの身を食料として差し出すために火に飛び込んで自らを犠牲にしたうさぎの物語を新作能として創作し、演じました。
和と洋が幻想的な月のイメージのもとで出会い、能舞台の上で響きあった一夜限りのパフォーマンスは、まさに静かな秋の月夜に起こった「衝撃」。その場に居た観客はもちろん、オンライン配信で観劇したすべての人々を魅了しました。

『The Spirit of the Moon』公演より 場所:山本能楽堂 撮影:高橋拓人