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活動報告

ANTIBODIES Collective ーDUGONG(元・立誠小学校)
2015年10月24日

活動概要: 音楽、映像、舞台美術等をユニークな手法で取り込んだ先鋭的なダンス公演。古い小学校内部全体を使い、パフォーマーが観客と入り混じりながら上演。旧名称はBABY-Q。

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Antibodies Collective公演風景          写真:井上嘉和

スタッフの視察報告:古い小学校(旧・立誠小学校)が会場で、ステージを設けず、講堂のような広い部屋、教室、廊下などの小学校の校舎全体が舞台です。観客は100人弱、演者が、観客の間を縫って動きまわります。特にストーリーはなく、ロングドレスの女性が背筋を伸ばして遠くを見ながら颯爽と歩き、軍服姿の男はグースウォーク、おかめの面を付けた女性は腰をかがめて踊るように動き回ります。ミニドレスの女性は、2人がペアで歩き、時々取っ組み合いのけんかをしながら移動していきます。10数人の演者は、それぞれが常に独自の動きをしながら移動しています。観客もいつの間にか演者に引きずられるように、さまざまな部屋へと誘われて行き、教室や廊下の間を回遊しています。こうした動きの中では、他の観客を演者かと思わされてしまう瞬間が、度々ありました。映像、照明、音、様々な物体、装置、演者の動きなどで構成された空間を、誰に指示されるわけでもなく、かと言って自分の意志だけで動いていたわけでもなく、ハーメルンの笛吹男に導かれた子供のように学校内のあちらこちらを連れまわされ、摩訶不思議な、時間と空間を体験させてもらいました。(視察日 10/24)

 

代表の東野祥子さんに聞く:
Q 今回の公演での取組みはいかがでしたか?
A 今回は横浜、京都の2カ所での公演であったため、移動費が予想以上にかかりましたが、どちらも大掛かりな空間を想定し、舞台美術や音響、照明などにこだわりました。また、今回チャレンジした観客に交じって上演する回遊型の公演は、演出部分で苦労しましたが、観客の方々からは新しい舞台空間の体験として、たくさんの好評をいただきました。
Q アーツサポート関西助成金70万円で可能になったことは?
A 東京から多くのダンサーやスタッフを招聘できました。また、舞台美術や音響、映像、照明、特殊美術などにより多くの予算を振り分けられましたし、作品の紹介ビデオ用にヴィジュアルイメージとして最先端のアニメーションを制作することもできました。